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糖尿病と歯周病の深い関係|相互に影響し合う2つの疾患を理解する

糖尿病と歯周病の深い関係|相互に影響し合う2つの疾患を理解する

はじめに

「糖尿病の合併症」と聞くと、網膜症、腎症、神経障害などを思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、実は歯周病も糖尿病の重要な合併症の一つとして認識されています。さらに驚くべきことに、この関係は一方通行ではありません。糖尿病が歯周病を悪化させるだけでなく、歯周病が糖尿病を悪化させるという、相互に影響し合う関係にあることが、多くの研究によって明らかになっています。

この記事では、糖尿病と歯周病がどのように関係しているのか、そのメカニズムを詳しく解説します。また、両方の疾患を持つ方、あるいはどちらか一方を持つ方が注意すべきポイントと、具体的な対策方法をご紹介します。

糖尿病とは

糖尿病の基礎知識

糖尿病は、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が慢性的に高い状態が続く病気です。インスリンというホルモンの作用不足により、体内で糖を適切に処理できなくなることで発症します。

日本では、糖尿病患者と糖尿病予備群を合わせると約2000万人いるとされており、成人の5人から6人に1人が該当する、非常に身近な疾患です。初期には自覚症状がほとんどないため、健康診断などで発見されることが多い病気です。

糖尿病のタイプ

糖尿病には主に2つのタイプがあります。1型糖尿病は、自己免疫などにより膵臓のインスリン分泌細胞が破壊され、インスリンがほとんど分泌されなくなるタイプです。比較的若年で発症することが多く、インスリン注射が必須となります。

2型糖尿病は、生活習慣や遺伝的要因により、インスリンの分泌量が減少したり、インスリンの効きが悪くなったりするタイプです。糖尿病患者の約95%がこのタイプで、食事療法、運動療法、薬物療法などで治療を行います。

歯周病とは

歯周病の基礎知識

歯周病は、歯を支える歯茎や骨が、細菌感染により破壊される病気です。初期の歯肉炎から始まり、進行すると歯周炎へと移行します。放置すると、最終的には歯を支える骨が溶けて歯が抜け落ちてしまいます。

日本人の成人の約8割が歯周病またはその予備群といわれており、歯を失う最大の原因となっています。初期には自覚症状が少ないため、気づいた時にはかなり進行していることも多い疾患です。

歯周病の症状

歯周病の代表的な症状には、歯茎の腫れや赤み、出血、口臭、歯茎が下がる、歯がぐらつく、膿が出るなどがあります。特に、歯磨きの時に出血する、朝起きた時に口の中がネバネバするといった症状は、歯周病のサインです。

糖尿病が歯周病を悪化させるメカニズム

免疫機能の低下

糖尿病により血糖値が高い状態が続くと、白血球などの免疫細胞の機能が低下します。その結果、細菌感染に対する抵抗力が弱まり、歯周病菌に感染しやすくなります。また、一度感染すると炎症が治まりにくく、歯周病が重症化しやすくなるのです。

研究によると、糖尿病患者は糖尿病でない人に比べて、歯周病になるリスクが約2倍から3倍高いことが報告されています。さらに、血糖コントロールが不良な患者ほど、歯周病の重症度も高い傾向があります。

血管障害による影響

糖尿病による慢性的な高血糖は、血管にダメージを与えます。歯茎の細い血管が障害されると、歯周組織への酸素や栄養の供給が不足し、組織の修復能力が低下します。これにより、歯周病の進行が加速されます。

唾液の減少

糖尿病患者は、口の渇きを感じやすいことが知られています。高血糖により尿量が増え、体内の水分が失われることに加え、唾液の分泌自体も減少します。唾液には抗菌作用や自浄作用があるため、唾液が減少すると歯周病菌が繁殖しやすい環境が作られてしまいます。

コラーゲンの代謝異常

高血糖の状態では、体内のタンパク質が糖化され、AGEs(終末糖化産物)という物質が蓄積します。このAGEsは、歯茎のコラーゲンを変性させ、組織の修復を妨げます。その結果、歯周病による組織破壊が進みやすくなります。

歯周病が糖尿病を悪化させるメカニズム

炎症性物質の影響

歯周病になると、歯茎に慢性的な炎症が起こります。この炎症部位から、TNF-αやIL-6といった炎症性サイトカインと呼ばれる物質が産生され、血流に乗って全身を巡ります。

これらの炎症性物質は、インスリンの働きを妨げる作用があります。つまり、歯周病による慢性炎症が、インスリン抵抗性を高め、血糖値のコントロールを困難にするのです。これが、歯周病が糖尿病を悪化させる主要なメカニズムです。

歯周病治療による血糖値の改善

逆に言えば、歯周病を治療することで、血糖値が改善する可能性があります。実際に、複数の研究で、歯周病治療を行った糖尿病患者において、血糖値の指標であるHbA1c値が平均0.4%から0.7%程度改善することが報告されています。

この改善効果は、糖尿病薬を1剤追加した場合とほぼ同等の効果があるとされており、歯周病治療が糖尿病のコントロールにいかに重要かを示しています。

糖尿病と歯周病の両方がある場合の注意点

感染症リスクの増大

糖尿病と歯周病の両方を持つ患者さんは、さらなる感染症のリスクが高まります。歯周病の治療中や抜歯後に、傷が治りにくかったり、感染が広がりやすかったりする可能性があります。

歯科治療を受ける際は、必ず糖尿病であることを歯科医師に伝え、血糖コントロールの状態を共有しましょう。また、抗生物質の予防投与が必要になることもあります。

低血糖への注意

糖尿病の治療でインスリンや血糖降下薬を使用している方は、歯科治療中に低血糖を起こす可能性があります。長時間の治療が予想される場合は、治療前に軽食を摂る、ブドウ糖を携帯するなどの対策が必要です。

歯科治療の予約時間は、食事のタイミングや薬の効果時間を考慮して決めるようにしましょう。

予防と管理のための実践的アドバイス

血糖コントロールの徹底

糖尿病患者にとって、最も重要なのは血糖値を適切にコントロールすることです。HbA1c値を7%未満に保つことを目標に、医師の指示に従った治療を続けましょう。血糖値が安定すると、歯周病の進行も抑えられ、治療効果も高まります。

毎日の口腔ケア

糖尿病患者は、特に丁寧な口腔ケアが必要です。1日3回、食後に歯を磨き、特に就寝前は念入りに行いましょう。歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを使って、歯と歯の間もしっかり清掃します。

歯磨き粉は、フッ素配合のものを選び、虫歯予防も同時に行いましょう。また、舌のクリーニングも忘れずに行い、口腔内全体を清潔に保つことが大切です。

定期的な歯科検診

糖尿病患者は、少なくとも3ヶ月に1回は歯科検診を受けることが推奨されています。歯周ポケットの深さを測定し、歯周病の進行状態を定期的にチェックしてもらいましょう。

プロフェッショナルクリーニングで歯石を除去することも、歯周病予防に欠かせません。自宅でのケアでは取り除けない汚れを、定期的に除去してもらうことが重要です。

医科と歯科の連携

理想的なのは、内科医と歯科医が連携して治療を行うことです。歯科医師に糖尿病の治療状況を伝え、内科医には歯周病の状態を報告しましょう。お薬手帳を活用して、服用している薬の情報を共有することも大切です。

糖尿病の血糖値や歯周病の状態が変化した場合は、お互いの医師に報告し、治療方針を調整してもらいましょう。

生活習慣の改善

バランスの取れた食事、適度な運動、禁煙、ストレス管理など、生活習慣の改善は、糖尿病と歯周病の両方の予防と管理に効果的です。

特に喫煙は、歯周病の最大のリスク要因の一つであり、糖尿病のコントロールも悪化させます。禁煙は、両方の疾患を改善する最も効果的な方法の一つです。

早期発見・早期治療の重要性

糖尿病も歯周病も、初期には自覚症状がほとんどありません。定期的な健康診断と歯科検診により、早期に発見することが重要です。特に、家族に糖尿病患者がいる方、肥満傾向の方、歯茎の出血がある方は、積極的に検査を受けましょう。

早期に発見し、適切な治療を開始することで、両方の疾患の進行を抑え、深刻な合併症を予防することができます。

まとめ

糖尿病と歯周病は、互いに影響し合う密接な関係にあります。糖尿病が歯周病を悪化させ、歯周病が糖尿病のコントロールを困難にするという悪循環を断ち切るためには、両方の疾患を同時に管理することが不可欠です。

血糖値のコントロール、丁寧な口腔ケア、定期的な歯科検診、医科と歯科の連携。これらを実践することで、糖尿病と歯周病の両方を良好な状態に保つことができます。

糖尿病の方は歯周病のリスクが高いことを認識し、積極的に口腔ケアに取り組みましょう。また、歯周病がある方は、糖尿病の検査も受けることをおすすめします。両方の疾患を適切に管理することが、健康で質の高い生活を送るための鍵となります。

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