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阿倍野区昭和町駅の歯医者 ひだまり歯科からのお知らせ

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唾液の力で虫歯を防ぐ:口の中の天然防御システムを最大限に活用する方法

唾液の力で虫歯を防ぐ:口の中の天然防御システムを最大限に活用する方法

はじめに

私たちの口の中には、天然の防御システムが備わっています。それが「唾液」です。普段は意識することの少ない唾液ですが、実は1日に1リットルから1.5リットルも分泌され、むし歯や歯周病から歯を守る重要な役割を果たしています。唾液の働きを理解し、その力を最大限に引き出すことで、むし歯のリスクを大幅に減らすことができるのです。この記事では、唾液がどのようにむし歯を防ぐのか、そして唾液の分泌を促進し、その効果を高める具体的な方法について、歯科医学の視点から詳しく解説していきます。

唾液の驚くべき働き

自浄作用

唾液の最も基本的な働きが、自浄作用です。口の中を常に洗い流し、食べかすや細菌を物理的に除去します。これにより、細菌の繁殖を抑え、むし歯のリスクを減らします。

唾液がなければ、食べかすが口の中に留まり続け、細菌の温床となってしまいます。

緩衝作用(中和作用)

食事をすると、むし歯菌が糖分を分解して酸を産生し、口の中が酸性に傾きます。この酸が歯のエナメル質を溶かし、むし歯を引き起こします。

唾液には、この酸を中和する緩衝作用があります。唾液に含まれる重炭酸イオンやリン酸イオンが、酸を中和し、口の中を中性に戻します。

食後20分から30分程度で、唾液の働きにより口の中のpHは元に戻ります。

再石灰化作用

酸によって歯のエナメル質からカルシウムやリン酸が溶け出す現象を「脱灰」といいます。唾液には、この脱灰を修復する「再石灰化」作用があります。

唾液に含まれるカルシウムイオンとリン酸イオンが、歯の表面に再び沈着し、初期のむし歯を自然に修復します。この再石灰化作用により、初期むし歯であれば、削らずに治癒させることも可能です。

抗菌作用

唾液には、ラクトフェリン、リゾチーム、ペルオキシダーゼなどの抗菌物質が含まれており、むし歯菌や歯周病菌の繁殖を抑制します。

また、分泌型IgA抗体も含まれており、免疫的な防御機能も果たしています。

潤滑作用

唾液が口の中を潤すことで、食べ物の咀嚼や嚥下、発音がスムーズになります。また、口腔粘膜を保護し、傷つきにくくします。

消化作用

唾液に含まれるアミラーゼという酵素は、でんぷんを分解し、消化を助けます。これは歯の健康に直接関わるわけではありませんが、全身の健康維持に重要です。

唾液が不足すると起こる問題

ドライマウス(口腔乾燥症)

唾液の分泌が減少し、口の中が乾燥する状態をドライマウスといいます。この状態では、唾液の防御機能が働かないため、むし歯や歯周病、口臭、口内炎などのリスクが大幅に高まります。

ドライマウスの原因は、加齢、薬の副作用、ストレス、シェーグレン症候群などの病気、口呼吸など様々です。

むし歯の急増

唾液が不足すると、口の中の自浄作用、中和作用、再石灰化作用がすべて低下し、むし歯が急速に進行します。

特に高齢者のドライマウスでは、短期間に多数の歯がむし歯になることがあります。

歯周病の悪化

唾液の抗菌作用が低下すると、歯周病菌が繁殖しやすくなり、歯周病が進行します。

口臭の悪化

唾液による洗浄作用と抗菌作用が失われると、口臭を引き起こす細菌が繁殖し、強い口臭が発生します。

唾液の分泌を促進する方法

よく噛む

咀嚼は、唾液分泌を促進する最も効果的な方法です。噛むという刺激が、唾液腺を刺激し、唾液の分泌を促します。

現代人は、柔らかい食べ物が増えたことで、噛む回数が減少しています。意識的に、一口30回程度噛むことを心がけましょう。

硬い食べ物や、噛みごたえのある食べ物を積極的に取り入れることも効果的です。

ガムを噛む

食後にガムを噛むことで、唾液の分泌が促進され、口の中の酸を中和できます。キシリトール入りのガムなら、むし歯予防効果がさらに高まります。

ただし、砂糖入りのガムはむし歯の原因になるため、必ず無糖のものを選びましょう。

水分をこまめに摂取

体が脱水状態では、唾液の分泌も減少します。こまめに水を飲むことで、体全体を潤し、唾液の分泌も促進されます。

1日に1.5リットルから2リットルの水を飲むことを目標にしましょう。

唾液腺マッサージ

唾液腺を直接マッサージすることで、唾液の分泌を促進できます。主な唾液腺は、耳下腺(耳の下)、顎下腺(顎の下)、舌下腺(舌の下)の3つです。

耳下腺は、耳たぶの少し前を円を描くようにマッサージします。顎下腺は、顎の骨の内側を親指で押します。これらを食前に行うと、食事がより美味しく感じられます。

舌の運動

舌を動かすことも、唾液分泌を刺激します。舌を口の中でぐるぐる回したり、上あごを舐めたりする運動を、1日数回行いましょう。

酸っぱいものを思い浮かべる

レモンや梅干しなど、酸っぱいものを思い浮かべるだけでも、唾液が分泌されます。これは、脳が酸性の物質から歯を守るために、反射的に唾液を出すためです。

唾液の質を高める方法

バランスの良い食事

唾液の成分は、食事から摂取する栄養素によって作られます。バランスの良い食事を心がけることで、質の高い唾液が分泌されます。

特に、ビタミンやミネラルが不足すると、唾液の質が低下します。

ストレス管理

ストレスは、自律神経のバランスを崩し、唾液の分泌を減少させます。また、ストレス時の唾液は、粘性が高く、サラサラしていません。

リラックスした状態では、サラサラの質の良い唾液が分泌されます。適度な運動、趣味の時間、十分な睡眠などで、ストレスを上手に管理しましょう。

禁煙

タバコは、唾液の分泌を減少させ、質も低下させます。禁煙することで、唾液の量と質が改善します。

薬の副作用への対処

多くの薬には、副作用として口の乾燥があります。降圧剤、抗うつ薬、抗アレルギー薬、睡眠薬などが代表的です。

薬を服用していて口の乾燥が気になる場合は、医師に相談し、可能であれば別の薬に変更してもらうか、対策を相談しましょう。

唾液の力を活かす食生活

ゆっくり食べる

早食いは、噛む回数が少なく、唾液の分泌が不十分になります。ゆっくりと時間をかけて食事をすることで、十分な唾液が分泌され、消化も良くなります。

食物繊維の多い食品

野菜、果物、全粒穀物など、食物繊維の多い食品は、自然と噛む回数が増え、唾液の分泌を促進します。

酸味のある食品

レモン、梅干し、酢など、酸味のある食品は、唾液の分泌を強力に刺激します。ただし、酸が歯を溶かす可能性もあるため、食べた後は水で口をすすぎましょう。

食後のデザート

食後にチーズを少量食べることも、唾液の分泌を促し、口の中を中和する効果があります。

唾液検査の活用

歯科医院では、唾液の量や質、緩衝能(中和する力)を測定する唾液検査が受けられます。この検査により、自分のむし歯リスクを客観的に知ることができ、個別の予防プログラムを立てることができます。

むし歯になりやすい人は、一度唾液検査を受けてみることをお勧めします。

人工唾液とドライマウス治療

ドライマウスが深刻な場合、人工唾液のスプレーやジェルを使用することもできます。また、唾液分泌を促進する薬もあります。

症状がひどい場合は、歯科医師や口腔外科医に相談しましょう。

唾液を減らす習慣を避ける

口呼吸

口呼吸をしていると、口の中が乾燥し、唾液の効果が失われます。鼻呼吸を心がけましょう。

カフェインやアルコールの過剰摂取

カフェインやアルコールには利尿作用があり、体を脱水させます。摂取する場合は、水も一緒に飲みましょう。

口の中を乾燥させる環境

エアコンや暖房で室内が乾燥すると、口も乾きます。加湿器を使って適切な湿度を保ちましょう。

子どもの唾液とむし歯予防

子どもは、大人に比べて唾液の緩衝能が低く、むし歯になりやすい傾向があります。よく噛む習慣をつけることで、唾液腺が発達し、唾液の分泌量と質が向上します。

柔らかいものばかりでなく、適度に硬い食べ物も与え、しっかり噛む習慣を身につけさせましょう。

まとめ

唾液は、自浄作用、中和作用、再石灰化作用、抗菌作用など、多くの働きでむし歯から歯を守っています。この天然の防御システムを最大限に活用することが、効果的なむし歯予防につながります。

よく噛む、ガムを噛む、水分をこまめに摂取する、唾液腺マッサージ、ストレス管理など、日常生活の中で実践できる方法がたくさんあります。今日から、唾液の力を意識して、健康な歯を守りましょう。

唾液は、あなたの口の中の最高の守護神です。その力を信じて、大切に育てていきましょう。

親切丁寧な対応で、安心して通って頂ける怖くない、痛くない歯科医院を目指します!

阿倍野区昭和町おすすめ、ひだまり歯科、是非、ご来院ください。