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阿倍野区昭和町駅の歯医者 ひだまり歯科からのお知らせ

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歯周ポケットって何?

はじめに

歯科検診で「歯周ポケットの深さを測りますね」と言われたことはありませんか。また、「歯周ポケットが深くなっています」と指摘されて、不安を感じた方もいるかもしれません。歯周ポケットという言葉は聞いたことがあっても、それが何を意味し、なぜ重要なのか、詳しく理解している方は少ないでしょう。実は、歯周ポケットの深さは、歯周病の進行度を示す重要な指標です。放置すると歯を失う原因にもなる歯周病を早期発見・早期治療するために、歯周ポケットの理解は欠かせません。この記事では、歯周ポケットとは何か、どのように形成されるのか、健康な状態と異常な状態の違い、測定方法、そして深くなった場合の対処法まで、詳しく解説していきます。

歯周ポケットとは

歯と歯茎の間の溝

歯周ポケットとは、歯と歯茎の間にある溝のことを指します。正確には、歯の表面と歯茎の内側の間にできる隙間です。健康な状態でも、歯と歯茎は完全に密着しているわけではなく、わずかな溝が存在します。この溝を「歯肉溝」と呼び、深さは通常1ミリから3ミリ程度です。歯肉溝は生理的な構造であり、正常な範囲内であれば問題ありません。

歯周ポケットの形成メカニズム

歯磨きが不十分だと、歯と歯茎の境目に歯垢(プラーク)が蓄積します。歯垢には無数の細菌が含まれており、これらの細菌が産生する毒素により、歯茎に炎症が起こります。炎症が続くと、歯茎が腫れて歯から離れ、溝が深くなっていきます。これが歯周ポケットです。さらに進行すると、歯を支える骨(歯槽骨)まで破壊され、ポケットはより深くなります。

歯肉ポケットと歯周ポケットの違い

厳密には、炎症が歯茎だけに留まっている段階を「歯肉ポケット」、歯を支える骨まで破壊が及んだ段階を「歯周ポケット」と区別します。歯肉ポケットの段階であれば、適切な治療とケアで元の状態に戻すことができます。しかし、歯周ポケットになると、失われた骨は基本的に元には戻りません。そのため、早期発見・早期治療が極めて重要です。

歯周ポケットの深さと歯周病の進行度

健康な状態(1ミリから3ミリ)

歯周ポケットの深さが1ミリから3ミリであれば、健康な状態または軽度の歯肉炎と判断されます。この段階では、歯を支える骨には影響が出ていません。適切な歯磨きとデンタルフロスの使用により、炎症を改善できます。歯科医院でのクリーニングと正しいブラッシング指導を受けることで、健康な状態を維持できます。

軽度歯周病(4ミリから5ミリ)

ポケットの深さが4ミリから5ミリになると、軽度の歯周病と診断されます。歯茎の腫れや出血が見られ、歯を支える骨の破壊が始まっています。この段階では、歯科医院での専門的な歯石除去(スケーリング)が必要です。歯周ポケットの中に入り込んだ歯石は、自宅でのブラッシングでは除去できません。定期的なクリーニングと丁寧なホームケアにより、進行を止めることができます。

中等度歯周病(6ミリから7ミリ)

ポケットの深さが6ミリから7ミリになると、中等度の歯周病です。歯を支える骨の破壊が進み、歯がわずかに揺れ始めることもあります。歯茎の腫れや出血、口臭なども顕著になります。この段階では、歯周ポケットの奥深くまで器具を入れて歯石を除去する治療(ルートプレーニング)が必要です。場合によっては、外科的な処置も検討されます。

重度歯周病(8ミリ以上)

ポケットの深さが8ミリ以上になると、重度の歯周病です。歯を支える骨の大部分が失われ、歯の揺れが大きくなります。膿が出たり、強い口臭がしたりすることもあります。この段階では、歯を保存するための外科治療や、残念ながら抜歯が必要になることもあります。早期に適切な治療を受けなければ、複数の歯を失う可能性が高くなります。

歯周ポケットの測定方法

プロービング検査

歯周ポケットの深さは、「プローブ」という目盛りのついた細い器具を使って測定します。歯科医師や歯科衛生士が、このプロープを歯と歯茎の間に優しく挿入し、ポケットの底まで到達したところで深さを読み取ります。1本の歯につき、通常6箇所(前面3箇所、後面3箇所)を測定し、全体的な状態を把握します。

測定時の出血の有無

ポケットの深さを測定する際、出血があるかどうかも重要な情報です。健康な歯茎は、プローブを挿入しても出血しません。しかし、炎症がある場合は、わずかな刺激で出血します。出血の有無は、炎症の程度を示す指標となり、治療方針を決定する際の重要な情報になります。

痛みはあるのか

多くの患者さんが心配するのが、測定時の痛みです。健康な歯茎や軽度の歯肉炎であれば、測定時の痛みはほとんどありません。しかし、炎症が強い場合や、ポケットが深い場合は、チクチクとした痛みを感じることがあります。痛みが強い場合は、表面麻酔を使用することもできるので、遠慮せず歯科医師に伝えましょう。

歯周ポケットが深くなる原因

不十分な口腔ケア

最も大きな原因は、毎日のブラッシングやデンタルフロスが不十分で、歯垢や歯石が蓄積することです。特に歯と歯茎の境目は歯垢が溜まりやすく、丁寧な清掃が必要です。歯ブラシだけでは歯間部の汚れを除去できないため、デンタルフロスや歯間ブラシの使用が欠かせません。

喫煙

タバコは歯周病の最大のリスク要因の一つです。ニコチンにより血管が収縮し、歯茎への血流が悪化します。また、免疫機能が低下するため、細菌と戦う力が弱まります。さらに、喫煙者は歯茎の出血が抑えられるため、歯周病の進行に気づきにくいという問題もあります。

糖尿病

糖尿病と歯周病は相互に悪影響を及ぼす関係にあります。血糖値が高い状態が続くと、免疫力が低下し、歯周病菌に対する抵抗力が弱まります。逆に、歯周病があると炎症性物質が血糖コントロールを悪化させます。糖尿病の方は、特に歯周病予防に注意が必要です。

ストレスと生活習慣

過度なストレスは免疫力を低下させ、歯周病のリスクを高めます。また、睡眠不足、偏った食生活、過労なども免疫機能に影響します。歯ぎしりや食いしばりの習慣も、歯周組織に過度な負担をかけ、歯周病を悪化させる要因になります。

加齢

加齢とともに、歯茎が下がりやすくなり、歯周病のリスクも高まります。唾液の分泌量が減少することも、口腔内の自浄作用を低下させます。ただし、加齢そのものが直接の原因というより、長年の生活習慣の蓄積が影響していると考えられます。

歯周ポケットを改善する方法

正しいブラッシング

歯周ポケットを改善するには、まず正しいブラッシングが基本です。歯ブラシを歯と歯茎の境目に45度の角度で当て、小刻みに動かします。力を入れすぎず、優しく丁寧に磨くことが重要です。1回の歯磨きに最低3分はかけ、すべての歯の表面、裏面、噛む面を磨きましょう。

デンタルフロスと歯間ブラシ

歯ブラシだけでは、歯と歯の間の汚れを除去できません。1日1回は、デンタルフロスや歯間ブラシを使用しましょう。特に就寝前に行うことで、睡眠中の細菌繁殖を抑えられます。最初は慣れないかもしれませんが、継続することで習慣化できます。

歯科医院でのプロフェッショナルケア

自宅でのケアだけでは、歯周ポケット内の歯石は除去できません。3ヶ月から6ヶ月に1回は歯科医院を受診し、専門的なクリーニングを受けましょう。超音波スケーラーや手用の器具を使って、歯石を徹底的に除去します。ポケットが深い場合は、歯茎の中まで器具を入れて清掃するルートプレーニングが行われます。

生活習慣の改善

禁煙することで、歯周病のリスクを大幅に減らせます。また、バランスの取れた食事、十分な睡眠、ストレス管理なども重要です。特にビタミンCやカルシウムの摂取は、歯茎の健康維持に役立ちます。糖尿病がある方は、血糖コントロールを良好に保つことが歯周病予防にもつながります。

定期的な検査

歯周ポケットの深さは定期的に測定し、変化を記録することが大切です。改善傾向にあるか、悪化しているかを確認することで、適切な治療方針を立てられます。自覚症状がなくても、3ヶ月から6ヶ月に1回は歯科検診を受けましょう。

歯周ポケットに関するよくある質問

一度深くなったポケットは元に戻るのか

歯肉ポケットの段階であれば、適切な治療とケアで改善できます。しかし、歯を支える骨が破壊された歯周ポケットは、完全には元に戻りません。ただし、進行を止め、現状を維持することは可能です。一部のケースでは、再生療法により骨を再生させる治療も行われています。

歯周ポケットがあると必ず歯を失うのか

早期に発見し、適切な治療とケアを行えば、歯を保存できる可能性は十分にあります。重要なのは、定期的な検診で早期発見することと、歯科医師の指導のもと継続的にケアを続けることです。重度に進行してしまうと保存が難しくなりますが、早期であれば十分に対処可能です。

自分で歯周ポケットの深さは分かるのか

正確な深さは専門的な器具で測定する必要があり、自分では判断できません。ただし、歯茎の腫れ、出血、口臭、歯の動揺などの症状がある場合は、歯周ポケットが深くなっている可能性があります。これらの症状に気づいたら、早めに歯科医院を受診しましょう。

まとめ

歯周ポケットは、歯と歯茎の間にある溝のことで、その深さは歯周病の進行度を示す重要な指標です。健康な状態では1ミリから3ミリですが、4ミリ以上になると歯周病の可能性があり、8ミリ以上では重度の歯周病と診断されます。歯周ポケットが深くなる主な原因は、不十分な口腔ケア、喫煙、糖尿病、ストレスなどです。

改善するには、正しいブラッシング、デンタルフロスの使用、定期的な歯科医院でのクリーニング、生活習慣の改善が必要です。早期発見・早期治療により、歯を保存できる可能性は十分にあります。自覚症状がなくても、定期的に歯科検診を受け、歯周ポケットの深さを測定してもらいましょう。歯周病は予防できる病気です。毎日のケアと定期検診で、一生自分の歯で食事を楽しめる健康な口腔環境を維持しましょう。

 

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