はじめに
健康のためにジムに通い、筋トレやエクササイズに励む人が増えています。運動は、体力向上、ダイエット、ストレス解消など、様々な効果がありますが、実は「歯」にも影響を及ぼすことをご存知でしょうか。特に、ウェイトトレーニングなど、力を入れる運動を行う際、多くの人が無意識に歯を食いしばっています。この食いしばりが、歯ぎしりと同様に、歯や顎に大きな負担をかけます。ジム通いを始めてから、歯が痛い、顎が疲れる、歯がすり減った、詰め物が取れたなどの症状が現れた場合、トレーニング中の食いしばりが原因かもしれません。適切な対策を講じることで、歯の健康を守りながらトレーニングを楽しむことができます。この記事では、ジム習慣と歯ぎしり・食いしばりの関係について、そのメカニズム、影響、対処法を詳しく解説していきます。
ジムトレーニング中の食いしばり
なぜ食いしばるのか
重いウェイトを持ち上げる、腹筋をする、ランニングをするなど、力を入れる動作をするとき、人は本能的に歯を食いしばります。
歯を食いしばることで、全身の筋肉が連動し、より大きな力を発揮できるようになります。これは、「咬合力が全身の力発揮に影響する」という研究結果にも裏付けられています。
どのくらいの力がかかるのか
通常の食事での咀嚼では、約10〜30キログラムの力がかかります。しかし、強く食いしばった場合、その力は自分の体重と同じか、それ以上になることもあります。
ウェイトトレーニング中の食いしばりでは、数十キロから100キロ以上の力がかかることもあり、これは歯や顎に非常に大きな負担となります。
どんなトレーニングで起こりやすいか
特に、ウェイトリフティング、ベンチプレス、スクワット、デッドリフトなど、高負荷のウェイトトレーニングで食いしばりが起こりやすいです。
また、プランクなどの体幹トレーニング、ランニング、格闘技でも食いしばりが見られます。
ジムトレーニングによる歯への影響
歯のすり減り・摩耗
頻繁に強く食いしばることで、歯のエナメル質がすり減ります。特に、奥歯の咬合面が平らになったり、歯の先端が薄くなったりします。
歯の破折・ひび割れ
過度な力により、歯が欠けたり、ひび割れたりすることがあります。特に、神経を取った歯や、大きな詰め物・被せものがある歯は脆弱で、破折しやすいです。
詰め物・被せものの脱落
強い力がかかることで、詰め物や被せものが取れやすくなります。
知覚過敏
歯がすり減り、エナメル質が薄くなると、内部の象牙質が露出し、冷たいものや熱いものがしみるようになります。
顎関節症
食いしばりにより、顎の関節や筋肉に負担がかかり、顎関節症を発症することがあります。顎の痛み、口が開けにくい、顎がカクカク鳴るなどの症状が現れます。
歯周病の悪化
過度な力が歯にかかると、歯を支える骨や歯周組織にもダメージを与え、歯周病が悪化することがあります。
頭痛・肩こり
咀嚼筋や側頭筋が過度に緊張することで、頭痛や肩こりが起こります。
夜間の歯ぎしりとの違いと関連
違い
トレーニング中の食いしばりは日中に起こり、本人も多少は意識できます。一方、夜間の歯ぎしりは無意識に起こり、自分では気づきにくいです。
関連
興味深いことに、ジムでのトレーニングを始めてから、夜間の歯ぎしりも増えたという報告があります。これは、トレーニングにより咀嚼筋が発達し、筋肉の緊張が持続することや、トレーニングの興奮が就寝中にも影響することなどが原因と考えられます。
アスリートとマウスガード
プロスポーツ選手の多くは、トレーニングや試合中にマウスガードを使用しています。
ボクシング、ラグビー、アメリカンフットボールなどのコンタクトスポーツでは、外傷予防のために義務化されていますが、ゴルフ、野球、陸上競技など、コンタクトのないスポーツでもパフォーマンス向上と歯の保護のために使用されています。
マウスガードの効果
歯の保護
食いしばりによる歯のすり減り、破折、詰め物の脱落などを防ぎます。
顎関節の保護
顎への衝撃を吸収し、顎関節症のリスクを軽減します。
パフォーマンス向上
適切な噛み合わせの位置でマウスガードを装着することで、全身のバランスが整い、筋力発揮、瞬発力、バランス感覚などが向上するという報告があります。
精神的安心感
歯が保護されているという安心感により、より集中してトレーニングに取り組めます。
マウスガードの種類
カスタムメイドマウスガード
歯科医院で、個人の歯型に合わせて作製するマウスガードです。フィット感が良く、効果も高いですが、費用がかかります。
費用は、1万円から5万円程度です。
市販のマウスガード
スポーツ用品店などで購入できます。お湯で柔らかくして自分の歯型に合わせるタイプが一般的です。手軽ですが、フィット感や効果はカスタムメイドに劣ります。
マウスガードを使用する際の注意点
呼吸への影響
マウスガードを装着すると、鼻呼吸が推奨されます。口呼吸をしにくくなるため、激しい運動では酸素摂取が制限される可能性があります。
慣れるまで時間がかかることがあるため、軽いトレーニングから始めましょう。
衛生管理
使用後は、水で洗浄し、専用のケースで保管します。定期的に歯ブラシで洗浄し、清潔に保ちましょう。
定期的な交換
歯型が変わったり、マウスガードが摩耗したりするため、定期的に作り直すことが推奨されます。
マウスガードを使わない対処法
意識的に力を抜く
トレーニング中、歯を食いしばっていることに気づいたら、意識的に力を抜きましょう。上下の歯を軽く離すことを心がけます。
呼吸法
力を入れるときに息を止めず、適切に呼吸することで、過度な食いしばりを防げます。一般的に、力を入れるときに息を吐き、戻すときに息を吸います。
負荷の調整
無理な重量でトレーニングをしないことも大切です。適切な重量で、正しいフォームで行いましょう。
トレーニング後のケア
トレーニング後は、顎や側頭部を優しくマッサージし、筋肉の緊張をほぐしましょう。
ストレッチ
顎を左右に動かす、大きく口を開けるなど、顎のストレッチを行いましょう。
定期的な歯科検診
ジムに通っている人は、3〜6ヶ月に一度、歯科検診を受けることをお勧めします。
歯のすり減り、ひび割れ、詰め物の状態、顎関節の状態などをチェックしてもらい、問題があれば早期に対処しましょう。
ジムでトレーニングをしていることを歯科医師に伝えることで、適切なアドバイスを受けられます。
スポーツドリンクと虫歯
ジムでのトレーニング中、スポーツドリンクを飲む人も多いでしょう。しかし、スポーツドリンクには糖分が多く含まれており、頻繁に飲むと虫歯のリスクが高まります。
また、酸性の飲料であるため、歯のエナメル質を溶かす「酸蝕症」のリスクもあります。
対策
水やお茶を中心に飲む、スポーツドリンクを飲んだ後は水で口をゆすぐ、トレーニング後はできるだけ早く歯を磨くなどの対策を講じましょう。
プロテインと歯
プロテインパウダーを摂取する人も多いですが、プロテイン自体は歯に悪影響を与えません。ただし、甘味料が多く含まれている製品や、プロテインバーなど糖分が多い製品は注意が必要です。
子どもとジュニアアスリート
子どもやジュニアアスリートも、スポーツ中の食いしばりや外傷のリスクがあります。成長期の歯や顎を守るために、適切なマウスガードの使用や歯科検診が重要です。
まとめ
ジムでのトレーニング、特にウェイトトレーニングでは、力を発揮するために歯を食いしばることが多く、これが歯や顎に大きな負担をかけます。
歯のすり減り、破折、詰め物の脱落、顎関節症、頭痛、肩こりなどの症状が現れることがあります。
対策としては、カスタムメイドマウスガードの使用が最も効果的です。マウスガードを使わない場合は、意識的に力を抜く、呼吸法の改善、負荷の調整、トレーニング後のケアなどが重要です。
また、定期的な歯科検診を受け、歯の状態をチェックしてもらいましょう。
健康のためのジム習慣が、歯の健康を損なうことのないよう、適切な対策を講じながらトレーニングを楽しみましょう。
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