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阿倍野区昭和町駅の歯医者 ひだまり歯科からのお知らせ

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乳歯の役割と、なぜ大切にしなければいけないのか

乳歯の役割と、なぜ大切にしなければいけないのか

はじめに

「どうせ抜けてしまう乳歯だから、虫歯になっても大丈夫」「永久歯に生え変わるまでの一時的なものだから、そこまで神経質にならなくても」このような考えをお持ちの保護者の方は少なくありません。しかし、これは大きな間違いです。

乳歯は子どもの成長発達において極めて重要な役割を果たしており、その健康状態は永久歯や全身の健康に長期的な影響を与えます。小さな乳歯一本一本が、子どもの将来の健康と笑顔を左右する重要な存在なのです。

本記事では、乳歯の基本的な特徴から始まり、その多様な役割について詳しく解説します。そして、なぜ乳歯を大切にしなければならないのか、その理由を科学的根拠とともにお伝えします。

乳歯の基本的な特徴

乳歯の構造と数

乳歯は生後6か月頃から生え始め、通常2歳半から3歳頃までに全20本が生えそろいます。前歯から奥歯まで、上下合わせて乳中切歯2本、乳側切歯2本、乳犬歯2本、第一乳臼歯2本、第二乳臼歯2本の計10本ずつ、上下で20本となります。

乳歯の構造は永久歯と基本的には同じで、外側から順にエナメル質、象牙質、歯髄という三層構造になっています。しかし、乳歯には永久歯とは異なる特徴があります。

乳歯と永久歯の違い

乳歯は永久歯と比較して、エナメル質と象牙質の厚さが約半分程度しかありません。そのため、虫歯になりやすく、進行も早いという特徴があります。また、乳歯は永久歯よりも白く、形も小さくて丸みを帯びています。

歯髄腔(神経の入っている部分)も永久歯に比べて相対的に大きく、虫歯が神経に達するまでの時間が短いのも特徴です。このような構造的な違いから、乳歯は特に丁寧なケアが必要となります。

乳歯の重要な役割

咀嚼機能の発達

乳歯の最も基本的な役割は、食べ物を噛み砕く咀嚼機能です。離乳食から固形食への移行期において、乳歯は段階的に発達する咀嚼機能を支える重要な役割を果たします。

前歯は食べ物を噛み切る機能を、奥歯は食べ物をすりつぶす機能を担っています。これらの機能が適切に発達することで、子どもは様々な食品を摂取できるようになり、栄養バランスの良い食事が可能になります。

咀嚼機能の発達は、消化吸収の促進にもつながります。よく噛むことで唾液分泌が促進され、食べ物の消化が助けられます。また、咀嚼による刺激は脳の発達にも良い影響を与えるとされています。

発音機能の発達

乳歯は言葉の発音においても重要な役割を果たします。特に前歯は、「サ行」「タ行」「ナ行」「ラ行」などの音を正確に発音するために必要不可欠です。

乳歯が虫歯で欠けてしまったり、早期に抜けてしまったりすると、舌の位置が不安定になり、正しい発音が困難になります。言語発達の重要な時期に発音に問題があると、コミュニケーション能力の発達に影響を与える可能性があります。

また、正しい発音ができないことで、子どもの自信や社会性の発達にも影響が及ぶ場合があります。乳歯を健康に保つことは、子どもの言語発達と社会性の発達を支える重要な要素なのです。

顔面の発育促進

乳歯は顔面の骨格発育においても重要な役割を果たします。咀嚼による刺激は、顎の骨の成長を促進し、顔面の正常な発育を支えます。

しっかりと噛むことで、顎の筋肉が発達し、顎骨の成長が促進されます。これにより、永久歯が生えるための適切なスペースが確保されます。乳歯が早期に失われると、咀嚼刺激が減少し、顎の発育が不十分になる可能性があります。

また、乳歯の存在により、顔面の高さや横幅が適切に保たれます。乳歯を失うと、顔面の垂直的な高さが減少し、顔面の形態に影響を与える場合があります。

永久歯の正常な萌出誘導

乳歯は永久歯の萌出において道案内の役割を果たします。乳歯の歯根の下で永久歯が発育し、乳歯の根が吸収されることで、永久歯が正しい位置に生えてくる仕組みになっています。

乳歯が早期に失われると、隣接する歯が移動してしまい、永久歯の生えるスペースが不足する可能性があります。これにより、永久歯が正しい位置に生えることができず、歯並びの問題が生じる場合があります。

また、乳歯の虫歯が進行して歯根の先に膿がたまると、その下で発育している永久歯に影響を与える可能性があります。永久歯の形成不全や変色の原因となる場合もあります。

乳歯の健康が与える影響

永久歯への影響

乳歯の健康状態は、永久歯の健康に直接的な影響を与えます。乳歯に虫歯があると、口腔内の虫歯菌が増加し、永久歯も虫歯になりやすい環境が作られます。

また、乳歯の重篤な虫歯は、その下で発育している永久歯の形成に影響を与える可能性があります。永久歯のエナメル質形成不全や、歯の色の変化を引き起こす場合があります。

乳歯の早期喪失は、永久歯の萌出時期や萌出位置に影響を与えます。永久歯が予定より早く萌出してしまったり、正しい位置に生えてこなかったりする原因となります。

全身の健康への影響

乳歯の健康は、全身の健康とも密接に関係しています。虫歯による痛みは、子どもの食欲不振や睡眠障害を引き起こし、成長発達に悪影響を与える可能性があります。

また、乳歯の虫歯が進行すると、細菌感染が全身に広がるリスクがあります。特に免疫力の低い子どもでは、重篤な感染症を引き起こす可能性もあります。

咀嚼機能の低下により、柔らかい食品ばかりを選択するようになると、栄養バランスの偏りが生じる可能性があります。これは、子どもの成長発達や免疫機能に影響を与える要因となります。

心理社会的影響

乳歯の健康状態は、子どもの心理社会的発達にも影響を与えます。虫歯による痛みや見た目の変化は、子どもの自尊心や社会性の発達に影響を与える可能性があります。

痛みがあると、子どもは機嫌が悪くなり、遊びや学習に集中できなくなります。また、歯の見た目が悪いと、人前で笑うことを躊躇したり、友達との関わりを避けたりする場合があります。

発音の問題がある場合、コミュニケーションに支障をきたし、社会性の発達に影響を与える可能性があります。これらの問題は、子どもの健全な成長発達を阻害する要因となります。

乳歯を大切にするための具体的な方法

日常的なケア

乳歯を健康に保つためには、毎日の適切なケアが不可欠です。歯が生え始めた時から、清潔なガーゼや歯ブラシを使用して、優しく歯を清拭することから始めます。

歯磨きの習慣は、乳歯が生えそろう前から始めることが重要です。最初は保護者が行い、徐々に子ども自身ができるように指導していきます。フッ素入りの歯磨き粉を適量使用することで、虫歯予防効果が期待できます。

食後30分以内の歯磨きを習慣づけることが大切です。特に就寝前の歯磨きは、夜間の虫歯菌の増殖を抑制するために重要です。

食事管理

乳歯の健康を保つためには、適切な食事管理が必要です。糖分の多い食品や飲料の摂取を控え、規則正しい食事時間を設けることが大切です。

間食は決まった時間に取り、だらだら食べを避けることで、口腔内の酸性環境を長時間継続させないようにします。食後は水やお茶を飲んで、口腔内を清潔に保つことも効果的です。

カルシウムやビタミンDなど、歯の健康に良い栄養素を含む食品を積極的に摂取することも重要です。これらの栄養素は、歯の再石灰化を促進し、虫歯予防に効果があります。

定期的な歯科受診

乳歯の健康を維持するためには、定期的な歯科受診が不可欠です。一般的には、3か月から6か月に一度の定期検診が推奨されます。

定期検診では、虫歯の早期発見・早期治療が可能になります。初期の虫歯は痛みがないため、専門家による診断が重要です。また、適切な歯磨き指導や食事指導も受けることができます。

フッ素塗布やシーラント処置などの予防的な処置も、歯科医院で受けることができます。これらの処置により、虫歯のリスクを大幅に減らすことができます。

まとめ

乳歯は単なる「永久歯への繋ぎ」ではなく、子どもの成長発達において多面的で重要な役割を果たしています。咀嚼機能の発達、発音機能の確立、顔面の正常な発育、永久歯の正常な萌出誘導など、その役割は多岐にわたります。

乳歯の健康状態は、永久歯の健康はもちろん、全身の健康や心理社会的発達にも大きな影響を与えます。虫歯による痛みや機能障害は、子どもの生活の質を大きく低下させる可能性があります。

だからこそ、乳歯を大切にすることは、子どもの現在と将来の健康を守るために不可欠なのです。毎日の適切なケア、規則正しい食事管理、定期的な歯科受診を通じて、乳歯の健康を維持することが重要です。

「たかが乳歯」ではなく、「大切な乳歯」として認識し、子どもの健全な成長発達を支えるために、保護者と歯科医師が連携して乳歯の健康を守っていくことが求められています。小さな乳歯一本一本が、子どもの豊かな未来を支える大切な基盤となるのです。

患者様に寄り添い、丁寧で優しいケアを大切にする、怖くない、痛くない歯科医院です。

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