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花粉症薬とドライマウスの関係|口の渇きから歯を守る対策法

花粉症薬とドライマウスの関係|口の渇きから歯を守る対策法

はじめに

春になると多くの人を悩ませる花粉症。くしゃみ、鼻水、目のかゆみなどの症状を抑えるために、抗ヒスタミン薬などの花粉症薬を服用している方は多いでしょう。しかし、薬を飲み始めてから「口が異常に乾く」「喉が渇いて仕方がない」という経験はありませんか。

実は、花粉症薬の副作用として、ドライマウス(口腔乾燥症)が起こることは非常に一般的です。そして、このドライマウスを放置すると、虫歯や歯周病、口臭など、さまざまな口腔トラブルにつながる可能性があります。

この記事では、なぜ花粉症薬で口が乾くのか、そのメカニズムを解説し、ドライマウスから歯を守るための具体的な対策をご紹介します。花粉症の季節を快適に、そして口の健康を守りながら過ごすための情報をお届けします。

花粉症薬がドライマウスを引き起こすメカニズム

抗ヒスタミン薬の作用

花粉症の症状を抑えるために最もよく使われるのが、抗ヒスタミン薬です。この薬は、アレルギー反応を引き起こすヒスタミンという物質の働きを抑えることで、くしゃみや鼻水などの症状を軽減します。

しかし、抗ヒスタミン薬には「抗コリン作用」という別の作用もあります。この抗コリン作用により、唾液腺の働きが抑制され、唾液の分泌量が減少してしまうのです。唾液の分泌が減ると、口の中が乾燥し、ドライマウスの状態になります。

第一世代と第二世代の違い

抗ヒスタミン薬には、第一世代と第二世代があります。第一世代の薬(ジフェンヒドラミンやクロルフェニラミンなど)は、効果は高いものの、抗コリン作用が強く、眠気やドライマウスといった副作用が出やすいのが特徴です。

第二世代の薬(セチリジン、フェキソフェナジン、ロラタジンなど)は、第一世代に比べて副作用が軽減されていますが、それでもドライマウスの症状を感じる人は少なくありません。個人差が大きく、同じ薬でも人によって症状の出方が異なります。

その他の花粉症薬

抗ヒスタミン薬以外にも、抗ロイコトリエン薬や点鼻ステロイド薬などが花粉症治療に使われます。これらの薬は、抗ヒスタミン薬ほど顕著ではありませんが、やはり口の乾燥を引き起こす可能性があります。

また、鼻づまりによる口呼吸も、ドライマウスの原因となります。鼻が詰まって口で呼吸をすると、口の中の水分が蒸発しやすくなり、薬の副作用と相まって、さらに口の乾燥が悪化します。

ドライマウスが口の健康に与える影響

虫歯のリスク増加

唾液には、口の中を洗い流す自浄作用、細菌の増殖を抑える抗菌作用、酸を中和する緩衝作用、歯の表面を修復する再石灰化作用など、重要な働きがあります。唾液が減少すると、これらの防御機能が低下し、虫歯のリスクが大幅に高まります。

特に、花粉症の季節は数ヶ月にわたって薬を服用し続けるため、長期間ドライマウスの状態が続きます。その間、口の中は虫歯菌にとって絶好の繁殖環境となってしまうのです。

歯周病の悪化

唾液の減少は、歯周病のリスクも高めます。唾液による自浄作用が弱まると、歯と歯茎の間に食べかすやプラーク(歯垢)が溜まりやすくなり、歯周病菌が繁殖しやすい環境が作られます。

既に歯周病がある人は、症状が悪化する可能性があります。歯茎の腫れや出血が増えたり、口臭が強くなったりすることがあります。

口臭の発生

唾液の分泌が減少すると、口の中の細菌が増殖し、揮発性硫黄化合物という臭いの元となる物質が産生されます。その結果、口臭が強くなります。朝起きた時に特に口臭が気になる場合は、就寝中の唾液減少が原因です。

味覚の変化と食事の問題

唾液は、食べ物の成分を溶かして味蕾に届ける役割も担っています。唾液が少ないと、味を感じにくくなったり、食べ物が飲み込みにくくなったりします。また、口の中がネバネバして不快感が増し、食事の楽しみが減少することもあります。

口腔粘膜のトラブル

唾液による潤滑・保護作用が失われると、口の中の粘膜が傷つきやすくなります。口内炎ができやすくなったり、舌がヒリヒリしたり、口角が切れたりすることがあります。特に高齢者は、義歯による傷が治りにくくなることもあります。

花粉症薬を飲みながらドライマウスを防ぐ対策

こまめな水分補給

最も基本的で重要な対策は、こまめに水分を補給することです。一度に大量に飲むのではなく、少量ずつ頻繁に飲むことがポイントです。デスクに水のボトルを置いておき、気づいた時に一口飲む習慣をつけましょう。

目安としては、1日に1.5リットルから2リットルの水分を、30分から1時間おきに少しずつ摂取するのが理想的です。常温の水や白湯が最も適していますが、緑茶や麦茶も良い選択肢です。ただし、カフェインには利尿作用があるため、飲みすぎには注意が必要です。

ガムやタブレットの活用

キシリトール配合のシュガーレスガムを噛むことで、唾液の分泌を促すことができます。ガムを噛む動作が唾液腺を刺激し、唾液の分泌量が増えます。外出先や仕事中にも手軽に実践できる方法です。

また、口腔保湿タブレットやトローチも効果的です。口の中でゆっくり溶かすことで、口腔内を潤すことができます。ただし、糖分を含むものは虫歯のリスクを高めるため、必ずシュガーレスのものを選びましょう。

口腔保湿剤の使用

薬局やドラッグストアで購入できる口腔保湿ジェルやスプレーを活用しましょう。これらは、口の中に潤いを与え、乾燥を防ぐために開発された製品です。就寝前や外出前に使用すると、長時間の潤いを保つことができます。

特に就寝中は唾液の分泌がさらに減少するため、寝る前に保湿ジェルを使用することで、朝の口の不快感を軽減できます。

唾液腺マッサージ

唾液の分泌を促進するために、唾液腺マッサージを習慣にしましょう。耳の下(耳下腺)、顎の下(顎下腺)、舌の下(舌下腺)にある3つの大きな唾液腺を、指で優しくマッサージします。

耳の下から顎のラインに沿って、円を描くように数回マッサージするだけで効果があります。食前や口の乾きを感じた時に行うと良いでしょう。

室内の加湿

乾燥した環境は、ドライマウスを悪化させます。特に春先は花粉対策で窓を閉め切ることが多く、室内が乾燥しがちです。加湿器を使用して、室内の湿度を40%から60%に保ちましょう。

職場で加湿器が使えない場合は、デスクに小型の卓上加湿器を置いたり、濡れたタオルを近くに置いたりするだけでも効果があります。

口呼吸を避ける

鼻づまりがある場合、どうしても口呼吸になりがちですが、口呼吸は口の乾燥を加速させます。点鼻薬を適切に使用して鼻づまりを解消し、できるだけ鼻呼吸を心がけましょう。

就寝中に口が開いてしまう人は、口呼吸防止テープや鼻腔拡張テープを使用するのも一つの方法です。

徹底した口腔ケア

ドライマウスの時こそ、丁寧な口腔ケアが重要です。1日3回の歯磨きに加えて、デンタルフロスや歯間ブラシを使用し、食べかすやプラークを徹底的に除去しましょう。

歯磨き粉は、フッ素濃度の高いものを選ぶと虫歯予防効果が高まります。また、アルコールを含むマウスウォッシュは口を乾燥させるため、ノンアルコールタイプを選びましょう。

食生活の工夫

酸味のある食べ物(梅干し、レモン、柑橘類など)は、唾液の分泌を促します。ただし、食べすぎると歯のエナメル質を溶かす可能性があるため、適量にとどめましょう。

よく噛んで食べることも重要です。咀嚼回数が増えると唾液の分泌が促進されます。一口につき30回を目安に、ゆっくりよく噛んで食べる習慣をつけましょう。

薬の選び方と医師への相談

副作用の少ない薬への変更

ドライマウスの症状がひどい場合は、医師に相談して、副作用の少ない薬に変更してもらうことを検討しましょう。第二世代の抗ヒスタミン薬の中でも、フェキソフェナジンは比較的副作用が少ないとされています。

また、点鼻薬や点眼薬を併用することで、内服薬の量を減らせる場合もあります。自己判断で薬を変更せず、必ず医師や薬剤師に相談しましょう。

服用時間の工夫

薬の種類によっては、服用時間を工夫することで副作用を軽減できる場合があります。例えば、夜間の口の乾燥が特に気になる場合は、医師に相談して服用時間を調整してもらうことも可能です。

歯科医師への相談

花粉症薬を長期服用していることを歯科医師に伝えましょう。ドライマウスがあることを知っていれば、より適切な口腔ケアのアドバイスや、予防的な処置(フッ素塗布など)を提案してもらえます。

まとめ

花粉症薬によるドライマウスは、多くの人が経験する一般的な副作用ですが、放置すると虫歯や歯周病などの深刻な口腔トラブルにつながる可能性があります。しかし、適切な対策を取ることで、これらのリスクを大幅に減らすことができます。

こまめな水分補給、ガムやタブレットの活用、口腔保湿剤の使用、唾液腺マッサージ、室内の加湿、徹底した口腔ケア。これらの対策を組み合わせて実践することで、花粉症薬を服用しながらも口の健康を守ることができます。

花粉症の症状を我慢する必要はありませんが、薬の副作用にも注意を払い、積極的に対策を講じることが大切です。症状がひどい場合は、医師や歯科医師に相談し、適切なサポートを受けながら、花粉症の季節を健やかに過ごしましょう。

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