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阿倍野区昭和町駅の歯医者 ひだまり歯科のスタッフブログ

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歯周病の進行段階を解説――歯肉炎から重度歯周炎まで、あなたの歯ぐきは今どの段階?

はじめに

「歯周病」と一口にいっても、初期段階から重度まで幅広いステージが存在します。歯周病は初期段階では自覚症状がほとんどなく、多くの方が気づかないうちに病状が進行してしまうのが大きな特徴です。

「歯ぐきから血が出るけど、まだ大丈夫だろう」「痛みはないから問題ない」と思っているうちに骨の破壊が進んでいるケースは決して珍しくありません。進行段階ごとの症状・特徴・治療の選択肢を正しく理解することで、早期発見と適切な対処につながります。本記事では、歯周病の進行段階を順を追って詳しく解説します。

歯周病の進行は「段階的」

歯周病は一夜にして重症化するものではなく、長い時間をかけて段階的に進行します。大きく分けると「歯肉炎」→「軽度歯周炎」→「中等度歯周炎」→「重度歯周炎」という段階を経て進行します。

注目すべきは、歯肉炎の段階では治療によって完全に回復できますが、歯周炎になると骨が溶け始め、その骨は基本的に自然には戻らないという点です。だからこそ、早い段階で発見し対処することが、歯を守る上で非常に重要です。各段階の特徴を正しく知ることが、治療への取り組み方を変える第一歩となります。

第1段階:歯肉炎(初期・可逆的な段階)

歯肉炎は歯周病の初期段階で、炎症が歯ぐきのみに限られており、歯槽骨(歯を支える骨)への影響はまだありません。

主な症状

歯ぐきが赤く腫れる・ブラッシング時に出血する・歯ぐきがむず痒い感じがする・口臭が出始める、などの変化が現れます。多くの場合、痛みはほとんどありません。

原因

歯ぐきの境目にプラーク(細菌の塊)が蓄積することで炎症が起こります。プラークが石灰化して歯石になると、さらに細菌が増殖しやすくなります。

特徴と予後

歯肉炎は「可逆的」な段階です。正しいブラッシングとフロスによるセルフケアを徹底し、歯科医院でのスケーリング(歯石除去)を受けることで、歯ぐきを完全に健康な状態に回復させることができます。「今ここで治す」のが最も簡単で費用も最小限で済む段階です。

逆にこの段階を軽視して放置すると、徐々に歯周炎へと移行し、骨の破壊が始まります。歯肉炎の時期に適切なケアを始めることが、将来的な歯の保存に直結します。

第2段階:軽度歯周炎

プラーク・歯石の蓄積が続き、炎症が歯ぐきから歯周組織(歯根膜・歯槽骨)へと波及し始めた状態です。

主な症状

歯ぐきの腫れと出血が続く・歯周ポケット(歯と歯ぐきの間の溝)が3〜4mmまで深くなる・口臭がより強くなる、などの変化があります。この段階でも痛みはほとんどないため、自覚症状の乏しさが特徴です。

骨への影響

ごく軽度の歯槽骨の吸収が始まっています。X線写真で確認できる場合があります。まだ骨の吸収量は少なく、適切な治療を開始すれば進行を止めることが十分に可能です。

治療

スケーリングとルートプレーニング(根面清掃:SRP)が中心です。適切な治療とセルフケアによって炎症をコントロールし、進行を止めることができます。この段階での治療は比較的短い期間で改善が見込めます。セルフケアの質を高めることで、治療期間の短縮が期待できます。保険診療の範囲内で治療を受けられます。

第3段階:中等度歯周炎

炎症がさらに深部に進行し、歯槽骨の破壊が明らかになってきた段階です。歯周病全体の中で最も多くの方が「治療を始めるきっかけ」になるステージでもあります。

主な症状

歯周ポケットが4〜6mmに深くなる・歯ぐきが退縮して歯が長く見える・食べ物が歯の間に詰まりやすくなる・口臭が顕著になる・冷たいものがしみる(知覚過敏)・歯がぐらつき始めることがある、などの変化が現れます。

骨への影響

歯槽骨の吸収が歯根の約1/3〜1/2程度まで進行していることがあります。失われた骨は自然には戻りません。

治療

SRPを中心とした基本治療が行われます。基本治療後の再評価でポケットが残存する場合は、歯周外科処置(フラップ手術)が検討されます。また、歯周組織再生療法(エムドゲイン法・リグロスなど)の適応が検討される場合もあります。

この段階から治療期間が長くなり(通常3〜6か月程度)、通院回数も増えます。治療の効果を最大化するためには、自宅でのセルフケアの改善が不可欠です。

第4段階:重度歯周炎

歯周病の最も深刻な段階です。歯を支える骨が大きく失われ、歯の保存が困難になるケースもあります。

主な症状

歯周ポケットが6mm以上に達する・歯ぐきの退縮が著しく、歯根が大きく露出して見える・歯が大きくぐらつく・噛むと痛みや違和感がある・歯並びが変化する(歯が移動する)・膿が出ることがある、などの症状が現れます。

骨への影響

歯槽骨の吸収が歯根の1/2以上に及んでいることが多く、場合によっては歯根のほとんどが露出しています。このため歯の動揺が大きくなり、食事や会話にも支障が生じることがあります。

治療

まず基本治療で炎症を鎮め、骨吸収の進行を止めることを目標とします。その後、歯周外科処置が必要なケースが多くなります。骨欠損の形状によっては再生療法の適応となる場合もありますが、骨の喪失が著しい場合は抜歯が選択肢となることもあります。

治療期間は長く(6か月〜1年以上)、費用もかかります。複数の歯にわたる重度の場合は、歯科医師と十分に相談し、保存可能な歯と抜歯が必要な歯を整理したうえで治療計画を立てることが必要です。

歯周病の進行を加速させるリスク因子

各段階の進行スピードには個人差があり、以下のリスク因子があると進行が速まります。

喫煙は歯周病の最大のリスク因子です。ニコチンが歯ぐきへの血流を阻害し、免疫力を低下させます。糖尿病もリスクを高め、血糖コントロールが不良なほど歯周病が悪化しやすくなります。遺伝的素因・ストレス・睡眠不足・栄養バランスの乱れも免疫機能を低下させ、進行を促進させる可能性があります。

なお、男性よりも女性の方がホルモンバランスの変化によって炎症が悪化しやすい時期(妊娠中・更年期など)があるため、特にこれらのライフステージにある女性は歯科検診の頻度を意識的に高めることが推奨されます。

早期発見・早期治療のために

歯周病の各段階は自覚症状の乏しさが共通した特徴です。「症状がない=大丈夫」ではなく、定期的な歯科検診によって客観的なデータ(歯周ポケットの深さ・出血・骨の状態)を確認することが、早期発見の唯一の方法です。

3〜6か月に1回の定期検診と専門的なクリーニングによって、現在の歯周病のステージを常に把握し、進行を防ぐことができます。自覚症状がないうちに定期的に歯科を受診する習慣をつけることが、歯を守るための最善の予防策です。

まとめ

歯周病の進行段階は、歯肉炎(完全回復可能)→軽度歯周炎(早期治療で改善)→中等度歯周炎(外科処置が必要になる場合も)→重度歯周炎(歯の喪失リスク)という流れで進みます。

段階が進むほど治療は複雑・長期・高コストになり、失われた骨は戻りません。「まだ大丈夫」という過信を捨て、歯ぐきのわずかな変化をサインと捉えて早めに歯科医院を受診することが、歯を長く守るための最善策です。自分の歯周病のステージを知り、適切な治療とセルフケアで進行を止めることが、生涯にわたって自分の歯を使い続けるための確かな第一歩です。

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