少年野球やサッカー、水泳など、スポーツに打ち込む子どもは多いのではないでしょうか。運動は心身の成長にとって非常に良い影響をもたらす一方、実はスポーツを頑張っている子どもほど、虫歯のリスクが高まりやすい傾向があることをご存知でしょうか。今回は、スポーツをする子どもの虫歯予防について詳しく解説していきます。
なぜスポーツをする子どもは虫歯になりやすいのか
スポーツに励む子どもたちは、運動していない子どもと比べて虫歯の罹患率が高い傾向にあるという指摘があります。これには、スポーツ活動特有のいくつかの要因が関わっています。
スポーツをする子どもが虫歯になりやすい理由
1.スポーツドリンクの頻繁な摂取
熱中症予防や水分補給のために、練習中や試合中にスポーツドリンクを飲む機会が多くなります。スポーツドリンクの多くは糖分を含んでおり、頻繁に、かつだらだらと飲む習慣は、虫歯菌にとって栄養分となる糖分を長時間供給し続けることにつながります。
2.口呼吸になりやすい
激しい運動をしていると、呼吸が荒くなり、無意識のうちに口呼吸になりやすくなります。口呼吸が続くと口腔内が乾燥しやすくなり、唾液による自浄作用が働きにくい状態になってしまいます。
3.発汗による唾液分泌量の減少
大量の汗をかくことで体内の水分が失われ、唾液の分泌量も減少しやすくなります。唾液には口の中の細菌を洗い流す自浄作用があるため、この分泌量が減ることで、虫歯のリスクが高まります。
4.食後すぐの歯磨きが難しい
練習や試合のスケジュールに合わせて食事を摂ることが多く、食後すぐに歯磨きをする時間が確保しづらいことがあります。
5.疲労による免疫力の低下
激しい練習による体力の消耗や疲労の蓄積は、免疫力の低下につながることがあり、これが虫歯や歯肉炎のリスクにも影響を及ぼす可能性があります。
6.補食(捕食)としての甘い食べ物の摂取
エネルギー補給のために、練習の合間にお菓子やゼリー飲料などを摂ることが多くなる場合があります。糖分を含む補食を頻繁に摂ることも、虫歯リスクを高める一因です。
7.マウスガード使用時の清掃不足
コンタクトスポーツでマウスガードを使用している場合、清潔に保たれていないと、装置と歯の間に汚れが溜まりやすくなることがあります。
スポーツをする子どもの虫歯予防対策
1.水分補給の内容を工夫する
激しい発汗を伴う練習時にはスポーツドリンクが必要な場面もありますが、軽い運動や日常的な水分補給には、水やお茶を選ぶという使い分けを意識しましょう。
2.スポーツドリンクはだらだら飲みを避ける
スポーツドリンクを飲む際は、少しずつ長時間かけて飲むのではなく、休憩のタイミングでまとめて飲むようにすることで、歯が酸性の状態にさらされる時間を短縮できます。
3.スポーツドリンクを飲んだ後は水で口をすすぐ
練習の合間に、水で軽く口をすすぐ習慣をつけることで、口腔内に残った糖分をある程度洗い流すことができます。
4.練習後はできるだけ早めに歯磨きを行う
疲労で後回しにしがちですが、練習後はできるだけ早めにうがいや歯磨きを行い、口の中に糖分や汚れが残った状態を長く続けないようにすることが大切です。
5.補食の内容を見直す
エネルギー補給のための補食には、糖分の多いお菓子だけでなく、おにぎりやバナナなど、虫歯のリスクが比較的低い食品を取り入れることも検討してみましょう。
6.口呼吸の改善を意識する
普段から鼻呼吸を意識づけることや、鼻づまりがある場合は耳鼻科で相談することも、口腔内の乾燥を防ぐ上で役立ちます。
7.マウスガードの衛生管理を徹底する
マウスガードを使用している場合は、使用後に丁寧に洗浄し、清潔な状態を保つことを習慣づけましょう。定期的な交換も忘れずに行うことが大切です。
携帯しやすい虫歯予防グッズの活用
携帯用の歯ブラシ
練習や試合の荷物に携帯用の歯ブラシを入れておくことで、外出先でも歯磨きの機会を確保しやすくなります。
キシリトール配合のガム
歯磨きがすぐにできない状況では、キシリトール配合のガムを噛むことで、唾液の分泌を促す補助的な効果が期待できます。
フッ素配合の歯磨き粉やジェル
日頃からフッ素配合の歯磨き粉を使用することで、歯の再石灰化を促し、虫歯になりにくい歯質を保つことができます。
保護者ができるサポート
補食や水分補給の管理
子ども自身で管理するのが難しい年齢のうちは、保護者が水分補給の内容やタイミング、補食の選び方について意識的にサポートすることが大切です。
仕上げ磨きの継続
スポーツをしている子どもは特に疲労が蓄積しやすく、歯磨きが疎かになりがちです。年齢に応じて、保護者による仕上げ磨きを継続することも効果的な予防策です。
定期的な歯科検診
スポーツをしている子どもは虫歯のリスクが高まりやすいからこそ、定期的な歯科検診を受け、早期発見・早期対応につなげることが重要です。
歯科医院で相談したいポイント
マウスガードの作成
コンタクトスポーツを行っている場合、歯科医院で自分の歯型に合わせたマウスガードを作成することで、既製品よりもフィット感が高く、歯や顎への保護効果も期待できます。
フッ素塗布
歯科医院で行うフッ素塗布は、家庭用の歯磨き粉よりも高濃度のフッ素を使用するため、より効果的に歯質を強化することができます。スポーツをしている子どもは、定期的なフッ素塗布を取り入れることをおすすめします。
シーラント処置
奥歯の噛み合わせの溝は特に虫歯になりやすい部分です。溝を樹脂で埋める「シーラント」という予防処置も、選択肢の一つとして相談してみるとよいでしょう。
こんな場合は歯科医院に相談を
以下のような症状がある場合は、早めに歯科医院に相談することをおすすめします。
・歯に黒っぽい変色や穴が見られる
・冷たいものを嫌がる様子がある
・虫歯が急に増えた気がする
・マウスガードの適合に違和感がある
まとめ
スポーツに打ち込む子どもは、スポーツドリンクの頻繁な摂取や口呼吸、唾液分泌量の減少などにより、虫歯のリスクが高まりやすい傾向があります。水分補給の内容やタイミングを工夫し、練習後の早めの口腔ケアを習慣づけることで、虫歯のリスクを軽減することができます。保護者によるサポートと、歯科医院での定期的なチェックやフッ素塗布などの予防処置を組み合わせながら、子どもが安心してスポーツに打ち込めるよう、歯の健康もしっかりと守っていきましょう。
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